IPアドレスから住所の特定は可能なのか

2019年01月22日
ホームページを作成し運営している様々のIPアドレスからアクセスがあります。
いつもコメントをくれる方がどのあたりにお住まいなのか、もしくは迷惑行為をしている方が
どこに住んでいるのかを知りたくなることもあるかもしれません。

今回は一般人がIPアドレスから住所を特定可能であるかを考えてみます。

ipアドレス
▲ 自分の現在のIPアドレス (参考:自分のIPアドレス表示)

IPアドレスには「固定」と「非固定」がある


住所が特定可能であるかを考えるにはIPアドレスがどのようなものであるかを知る必要があります。

一般的に個人がプロバイダー(ISP)と契約しインターネットにアクセスする場合には、IPアドレスは接続時にプロバイダーから割り当てられます。つまりIPアドレスは常に同じではありません。これを非固定IPと呼びます。

逆に企業や学校の場合には自分名義のIPアドレスを持っており、
常に同じIPアドレスを利用していることを多く、これを固定IPと呼びます。

住所を特定する方法とは?


IPアドレスの所有者情報は調べることが可能であるため、学校や企業名義で契約されていれば
その名称から所在地を調べることで住所の特定は可能です。

逆に個人の場合にはプロバイダー名義のIPアドレスを借りてアクセスしている状態であることから
所有者を調べてもプロバイダー名がわかるのみです。よってそのプロバイダーを利用しアクセスしている本人の住所を特定することは困難と言えます。

都道府県の特定は可能?


IPアドレスから引くことができる「ホスト名」に地域を特定できる文字列(東京の場合、tokyo、tkyなど)が
含まれていることがあり、それにより都道府県を特定できる場合があります。

また非固定IPの場合、通常IPアドレスはランダムに割り振られていますがプロバイダーによっては
都道府県ごとに割り当てられるIPアドレスの範囲が決まっていることがあります。
そのため過去に実際に割り当てられた地域を調査することで都道府県を特定するサービスなどもあります。
ただあくまで推察の域を出ず、100%正確に当てることは難しいです。

特定が難しいパターンは?


都道府県すら特定が難しいものとしては携帯キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)からのアクセスあります。これらの場合には割り当てが完全にランダムであったり、そもそもグローバルIPアドレス自体が割り当てられないことが多く事実上、特定は不可能です。

ただスマートフォンであっても公衆Wi-Fiなど4G回線以外からのアクセスであれば
アクセスポイントの設置場所から特定できる可能性はあります。

アクセス元の国を特定することは可能?


世界のIPアドレスはICANNという非営利団体により国ごとに割り当てられています。
そのため公開されている割り当て表を確認することでIPアドレスから国を特定できます。
ちなみに国ごとの割り当て範囲は結構、頻繁に更新されるため少し注意が必要です。

まとめ


IPアドレスから住所が特定できるケースはありますが、かなり条件が限られます。
都道府県の特定は可能な場合も多いですが確実とは言えません。国の特定については比較的容易です。

なお、この内容はあくまで一般人が特定可能かを示すものです。警察など捜査機関が調査すればプロバイダーから契約者情報が開示されるため、IPアドレスから住所は特定可能です。